私たちの税金って何に使われているか?
素朴な疑問として、思うところですね。
税金は、道路や水道などの公共サービスや、医療や年金などの社会保障制度、また学校や図書館などの教育サービスなどに使われます。
また、国の借金(国債)の返済にも使われます。
国民一人一人から少しずつ税金を徴収することで、上記のサービスが成り立っています。
ちょうど、保険の制度とも類似しますね。
令和6年度(2024年度)の国の一般会計予算(約112兆円)をみると、租税収入は約70兆円 と見込まれています。
その使い道の内訳は大きく次のようになっています。
- 社会保障関係費:約37.7兆円(歳出の中で最大)
年金・医療・介護・子育てなど、高齢化社会を支える費用です。 - 国債費:約28兆円(約1/4を占める)
国の借金(国債)の利子や返済に使われます。 - 地方交付税交付金等:約18.9兆円
地方自治体に配分され、地域の行政サービスを支えます。 - 教育・科学技術、防衛、公共事業、環境対策など にも数兆円ずつが配分されています。
社会保障費
社会保障関係費:約37.7兆円(歳出の中で最大)
最も多くの割合を占めているのが 社会保障費 です。金額にして約37.7兆円。
予算全体の中でもダントツで、一般歳出の過半数を超えています。
社会保障と一口に言っても、その中には次のような項目が含まれます。
- 年金:高齢者が安心して生活できるように支給される年金制度の財源
- 医療:病院での診療費や薬代の一部を公的保険でまかなうための費用
- 介護:高齢化が進む中で必要となる介護サービスへの公的支援
- 子育て支援:保育園や児童手当など、子育て世帯を支える制度の原資
つまり「老後・病気・介護・子育て」といった 誰もが直面するライフイベントを支えるお金 が、ここに詰め込まれています。
日本は急速に少子高齢化が進んでおり、この社会保障費は毎年のように増加しています。
国債費:約28兆円(予算の約1/4)
次に大きな割合を占めるのが 国債費。金額は約28兆円で、予算全体の約4分の1を占めています。
国債とは、いわば国の借金。
過去の赤字を埋めるためや、政策実行のために国が発行した借入金のことです。
国債費は、その元本返済や利息の支払いに充てられます。
国債費は過去のツケを払うためのお金 とも言えます。
一応、国債を発行した発行先を明記すると、以下のような発行先があります。
日本銀行(日銀):発行残高の約半分を保有
銀行・信託銀行・ゆうちょ銀行など:個人の預金を運用する形で国債を購入
年金基金や保険会社:長期的な資産運用先として国債を持つ
個人投資家:個人向け国債を購入
つまり、「国民から直接借りている」というより、国民の預金や保険料を通じて国債が買われている、という構図です。
国債費=過去のツケは将来世代の負担
この国債は誰が返済しているかというと、今、そして将来の税金です。
そして、この国債費用およびそれに伴う利払いは年々増加してます。
地方交付税交付金等:約18.9兆円
次に大きいのが 地方交付税交付金等。金額は約18.9兆円です。
これは国が集めた税金を、各自治体に再分配する仕組みです。
日本の自治体は、東京や大阪など税収が豊富な地域と、地方の小規模自治体とで財源格差があります。
その差を埋め、全国どこに住んでいても 一定水準の行政サービス(学校、病院、道路整備など)を受けられるようにするためのお金 が、この交付税なのです。
もしこの仕組みがなければ、地方の自治体は
税収不足で行政サービスを維持できなくなり、教育や医療、インフラ整備に大きな格差が生じてしまいます。
教育・科学技術、防衛、公共事業、環境対策など
上記3つで予算の大半を占めますが、それ以外にも重要な分野に数兆円単位で税金が配分されています。
教育・科学技術
義務教育費の国庫負担、大学研究の助成、科学技術開発への投資など。将来の人材育成やイノベーションに直結します。
防衛費
安全保障環境の変化を背景に、防衛装備品の整備や自衛隊の運営に充てられます。
2024年度は防衛費が過去最大規模に達し、国際的にも注目を集めました。
公共事業費
道路・橋・ダム・港湾・上下水道などのインフラ整備や災害対策が中心。災害大国である日本では、ここに安定的な投資を続けることが国民の安心につながります。
環境対策費
- 脱炭素、再生可能エネルギー推進、自然災害への対応など。持続可能な社会を作るための投資です。
これらは一見規模が小さく見えますが、将来世代に向けた投資 という意味では非常に大切な支出先です。
総括
2024年度の税金の使い道について見てきました。主に
- 社会保障(老後・医療・子育て支援)
- 国債の返済(過去の借金の清算)
- 地方交付税(地域格差をなくすための再分配)
この3つで大半を占めており、残りが教育・防衛・公共事業・環境対策などの「未来に向けた投資」に充てられています。
つまり、税金は「いまを守る」「過去の負担を清算する」「未来をつくる」という3つの役割を担っているのです。
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